体験環境学習 勅使池探検 | |||||||||||||||||||||||||
当日はさわやかな秋晴れに恵まれて、9時過ぎに勅使池目指して出発する時の楽しそうな子どもたちを見ていると私たちスタッフもうれしくなります。30分程で到着するとクラス別に分かれて担当スタッフから水質調査の説明を受けます。1クラスを4班に分けて、COD、チッソ(亜硝酸態窒素)、リン(リン酸態リン)のパックテストを各班2名ずつ担当します。
勅使池の水質調査
実施日:2021年11月1日(月)
まずは水質検査。パックテストは4cmほどの小さなポリエチレンチューブの先端にあるヒモ(ライン)を引き抜いて、それからチューブを指でギュッと押さえて紙コップに入れた池の水につけ、指を離して水を吸い上げます。目安としてチューブの半分くらいまでということになっていますが、これは大人でもけっこうむずかしい。ということで昨年から、使用済みのチューブをとっておいて、これを前もって練習用に使ってもらうことにしました。それで水質検査を始める前に、「練習した?」と聞いてみると、元気にそして自信満々で「したー!」という返事。うん、これは頼もしい。なかには少ししか水を吸い込めなかった子もいましたが、まあまあ、それはそれでダイジョーブ。 pHは測定器を使うので、スタッフが調べて子どもたちに伝えました。気温、水温も同じ。天気はみんなで確認。透視度計はスタッフが操作しながら児童たちが「まだ見えない」、「見えた!」 水の色、匂い、濁りもみんなで確認。 生きもの調査では、モツゴ、アメリカザリガニ、スジエビ、テナガエビ、カワウ、カイツブリ、カンムリカイツブリを観察しました。(浜島)
実施日:2020年11月27日(金) 子どもたちが「生きる力」を育むためには、自然や社会の現実に触れる体験が必要です。子どもたちは具体的な体験の中で自然や生きものとかかわり、感動したり、驚いたり、「なぜ、どうしてだろう」と考える中で、実際の生活や社会、自然のあり方を学んでいくのだろうと思われます。私たちはこうした体験学習のお手伝いをしています。水質調査を通じて、「池の水が汚れるのはどうしてか」、「あらゆる生きものの命を守る水」、ちょっと難しいかもしれませんが、「地球上の水循環」について考え、「水の大切さ」に気づいて欲しいと思っています。
勅使池と三崎池のCOD(㎎/ℓ)比較
勅使池の水質調査 実施日:2019年10月1日(火) 4年生2クラス71名 担任2名、保護者5名、スタッフ7名
沓掛小4年生の水質調査は今年で10年になります。今回は日差しが強いので学習は木陰のある堤防歩道を利用することにして、パックテストを使ってCOD、亜硝酸態窒素、リン酸態リンの調査をしました。児童はパックテストを見るのも使用することも初めてで、少し手間取っていましたがNPOスタッフの助言で手早く習得し調査完了。水の濁りは透視度計を使用し全員が測定体験、水は濁っていて35㎝程度しか透視できませんでした。(別表の数字はスタッフによる調査結果)調査は緊張のひと時であったようです。生き物調査では、1時間前に水中に入れて置いたタモ網を期待しながら引き上げると、モツゴ、ブルーギル、テナガエビが入っていました。児童は、熱心に眺めたり、触ったりしていました。 最近、勅使池は「カワウ」の生息池となっており、今回、初めてカワウの優れた行動を観察することができました。それは「カワウ」が水中に潜っているのが意外と長いことでした。そこでどれくらい水中に潜っているのかを調べることにしました。児童が大声で1,2,3と数えて2回挑戦、1回目27秒、2回目は26秒でした。えさのサカナは捕れなかったようでしたが、「すごい!」と児童の驚きの声…。カワウは狩りに特化した攻撃的な水鳥です。くちばしの先端はかぎ状で、捕らえた魚をがっちりとくわえて逃がさないよう進化しています。鵜飼(うかい)漁(鵜飼はウミウ)に利用されるほど狩り上手な鳥で、潜水能力も高いです。勅使池は多様な生きものが生息する大事な場所です。私たちは水がないと生きていけませんが、日常生活上でつい大切さを忘れがちです。体験学習は、水の大切さを再認識する絶好の機会でもありました。 (熊谷) 【生きもの】ブルーギル、モツゴ、テナガエビ、カワウ、カルガモ、ツバメ、ハシブトガラス
勅使池の水質調査 ため池である勅使池は、近年、農業用の利用は減りましたが、井堰川の維持用水としての利用と治水(洪水調整) 機能に加えて、身近に触れ合う水辺公園として、また、生き物のすみかとしての役割が期待されるようになってきました。
◆勅使池 勅使池は、豊明市の北部にあって、その広さは23ヘクタールあり、現在は満々と水をたたえ、静かで平和なこのまちの姿を池面に映しているが、かつての農民にとっては命より大事な水だといわれた水源でした。 勅使の水は、勅使池から新田(吉池・大久伝・中島)までの水路は遠く勅使水系の沓掛地区は夏の輪番で三日目でないと水は引けません。田植水も本田地区が済まないと新田へは廻されず日照の年は七月初めになることもあったそうです。新田開発以来水の辛苦は宿命でした。 ◆勅使池の歴史 この池は、大永8年(1528年)後奈良天皇が左中将経広卿を勅使として、東郷村祐福時へ綸旨を下されました。経広卿は、勅使池の工事のため桟敷を組み、その上で工事を監督したと伝えられ、現在も桟敷・勅使の地名が残っています。 沓掛城主近藤長安は、東郷町祐福寺の建立に尽くし、代々勤皇の家柄であったと伝えられるので、勅使池の築造には朝廷の助力もあったと考えられています。やがて寛永20年(1643年)、沓掛新田開発に伴って下池が開発されました。 昭和36年(1962年)、愛知用水路の完成によって、その後下池は埋め立てられ、もと水路の湿地帯には、県指定の天然記念物のアカバナナガバノイシモチソウが育っています。 (参考:豊明市史) ◆勅使池の整備事業 池の周りを散策する周回散策路、親水護岸、芝生広場、まずまやなど住民の交流や憩いの場として整備されることになりました。2002年に作業着手し、2007年度に完了しています。現在水辺公園として野鳥の観察や散策、ジョギングなどに使用されています。 |
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